33 十言神呪 第四の組立て 小(ホ)字神呪
Isiguro
今回は、第四の組立て 小(ホ)字神呪についてお話します。
主宰神は少彦名命です。
「最高道徳」では「人間開発及び救済の原理」にあたります。
Isiguro
現世において、悩めるものに対して、救いの手を差し出そうとする、その御心を現しています。
神様に代わって日々人々に心理を伝え、正しく導くのです。
人間は己の心から精神の「誠」を引き出して、
「誠」の人生を送らねばなりません。
即ち、すなわち相手の「誠」を導き、
引き出すことに力を借さねばならない。
「誠」と「誠」の引き合いです。
その方法が道徳の本質になります。
Isiguro
人の命、人の苦悩を救うことは人間の重要な使命です。
これが少彦名命の大神様の命持ちということです。
人間は本来において人の痛みを傍観する心は持っていないのです。
必ず痛みを和らげ、苦しみを抜こうとする、
「抜苦与楽」という心が備わっているものです。
その心はフタから出ています。
フタから湧き起こった慈悲の心によります。
ホ字神呪によって相手を感化するには、
自分の肉体を滅却し、己の全精神、
己の持つ霊的存在の全てを相手にかぶせて包み込みます。
そうすることによって相手のミヨの持つ痛みをこちらが引き受けます。
相手の持つミヨの業因縁がこちらに引き受けることによって
相手の痛みが解消し、相手の痛みを消すことができるのです。
そのときにこちらは身を通して、
真理が相手に伝わることをひたすら祈念します。
祈らねばなりません。
その際に相手に対して己の肉体を滅して伝えます。
これが「誠」を移す最も重要なことです。
常に肉体という壁を取り払い、
相手に自分の全身全霊をかぶせて
相手の痛みを引き受け、これを浄化し、
良き方向へと導かねばなりません。
これが人身救済開発の最初になすべきことです。
さらに相手の家のご先祖に対して救っていただくことをお願いします。
また自分の家のご先祖に対しても祈念し、
祈念を相手に伝えていただきます。
この時に忘れてはならないことは、
家のご先祖は真澄大神にまで通じていなければならないことです。
真澄大神を通じて自分の家のご先祖から
相手の家のご先祖に対してお伝えをしていただくのです。
それは相手のミヨに対して、
相手のご先祖より導いていただくためです。
このようにして我々は自分のことを神様に捧げて相手の痛みを柔らかくしていただくことを考えます。この神様が真澄大神である少彦名命です。
さらに付け加えますと、
相手に心を真にこちら側に同化させるためにはそれだけではまだ不十分です。
相手はその利益をいただいただけです。
ですから相手が真にこちらの精神と
同化をしたということにはならないのです。
真の同化をもたらすためには道徳の哲学を相手に伝え、
その実行をしていただく必要があります。
なぜ己の肉体を持ってこの現世に来たのか、
その理由を真に悟ってもらうことです。
自分がこの現世に、なぜ生まれてきたのかを悟る時が、
真にその人は救いの道に入るのです。
Isiguro
単に利益をいただくだけでは、
単なる一時の対処療法にしかすぎないわけです。
また効果が無効になればかえって恨まれることになり、
かえってこちら側の精神を誤って伝えることになります。
ですから相手を真に開発救済するまでもっていかねばなりません。
Isiguro
ここで相手を真に救済にまで引き上げる方法いくつか述べます。
(1)「法絲帖」を唱えてもらうことです。
読書によって家の御霊たちが心身の働きを持つようになるのです。
家のご先祖が働きます。
ですから「法絲帖」を伝え、唱えててもらうことは人心の開発救済、
さらにはその家を建て直すために真に重要な行事になるのです。
(2)次に「タマヒラキ」です。
この「タマヒラキ」の技によって
瞬間的に相手のミヨという壁を破り、
フタを輝かします。その最も効果的な方法は
天照大御神様と、大国主命の誉言を唱えることです。
継続することにより、いつの間にか霊(タマ)が開き瞬間的に良きところへ導かれます。
この天照大神と大国主命の誉言は、
ご神札のもとにおいて唱えます。
さらに産土大神のご神札を備えることが望ましい
ということは、いうまでもありません。
神様の誉言を毎日声の大小問わず、
心静かに唱えることによっていつの間にか
「タマヒラキ」ができます。
誉言とは、神様のお名前を唱えることです。
産土大神様のことを申し上げておきます。
本来は、氏神様は家の伝統の中に入るものです。
しかし現在、これを突き止めることができない状況にあります。
今住んでいる土地の産土大神は一時的に我々を預かるもので、
氏神様に直接直通するものではありません。
ですから、
霊界状況に通じる「明魂(あかるみたま)」を祀ることは
氏神様と結びつくことになります。
「明魂(あかるみたま)」は家の伝統の中で、
限りなく神様に近いご先祖の御霊のことです。
日々に人間が「明魂(あかるみたま)」を祀り、
「明魂(あかるみたま)」に慰霊(みたまなごめ)の御心を奉ることは、
自分の氏神様に通じることになります。
そして度々申し上げますように、その氏神の先には真澄大神が存在します。
これが人身開発救済の考え方です。
Isiguro
相手の相手の人間というものをどのようにして導くのか。
まさに、多大な努力がなければ相手を真に救うことはできないのです。
最後に大事なことを伝えます。
人心の開発救済は歪みを正す少彦名命の命持ちとして働くことになります。
しかし、相手から引き受けた業因縁はそのまま残っています。
ですから相手に代わって己が真澄大神に祈ることによって解消し、
洗い流さればならないものです。
この最終の行を怠るとき、
その業因縁を己が身としてそのまま受け取らねばならないのです。
信仰がなければ、人を救いながら己が苦境に陥ることになります。
これが真澄信仰の必要な由縁です。
なぜに相手から受けたこの業因縁というものを
真澄大神に祈ることによって浄化することができるのか。
それが少彦名命の神様の御徳にあるところです。
全てにおいて少彦名命の大神様が介在しておられるからこそ、
真澄大神に祈ることによって、
その因縁を落とすことができるものです。
即ち、言い換えるならば、
相手の代わりにこちらが神々に祈るということです。
また、住江大神の禊によっても浄化することができます。
Isiguro
次回は、第四の組立て 動(ラ)字神呪についてお話します。
よろしくお願いします。
管理人の補足
今回のお話は、十言神呪のp214-220を参照にしています。
こちらのサイトは、石黒豊信先生が発行している三統義会 真澄哲学に関する書籍を忘備録的に書き綴っています。
十言神呪は、著者は石黒豊信 発行所はミヤオビパブリッシング 発売元は(株)宮帯出版社です。宮帯出版のWebサイトをはじめ、物販の取り扱いをしているWebサイトで入手可能です。
多くの方がこの真澄哲学に興味を持って実践し、人生の幸せを見つけることを祈念しています。