26 十言神呪 第四の組立て序説と誠(マ)字神呪
Isiguro
今回から、十言神呪の「道の道」の「第四の組立て」のお話をいたします。
【 十言神呪序説 】
「道の道」を最初に啓かれましたのは廣池千九郎博士です。
それを「最高道徳」と名付け道徳科学の論文として体系化され、
昭和元年に公にされました。
本書(十言神呪、宮帯出版)は、この最高道徳の組立て、
構造を説明するもので、道徳の核心を突き、
思想を深化させるものです。
十言神呪の「道の道」には表と裏があります。
それは「最高道徳」の第一部、第二部となっています。
石黒豊信先生が住江の大神様より伝授されました
十言神呪の第四の組立ての上に立ってお話を進めます。
第三と第四の組立てを照らし合わせながら
お読みになると理解が進むもの思われます。
Isiguro
まず、人間を支える肉体についてお話します。
現世を生きるには肉体を持たざるを得ません。
現世において、如何にして品性を完成させつつ
如何にして幸福を作り出すかが重要な課題です。
人間生活には苦難が付きまとっています。
十言神呪の前段階であり「生長の家」をおつくりになった
谷口雅治先生の著書には「神思観」のような肉体を消しながら
神々の世界に入っていく、肉体を扱う術を記しています。
また「最高道徳」にもあります。
共に住江の大神様から啓示をされたものだからでしょう。
その意味で最高道徳的肉体観と生長の家の肉体観というものを
結び付ければ最高の肉体観ができると思っています。
肉体観は様々な考えを広く結びつけることができます。
●これから十言神呪の各神呪に対応させて「最高道徳」の中の原理をお話します。これらの原理の名称は、廣池博士自身によるものです。
Isiguro
誠(マ)字神呪
十言神呪の神呪のマ字は、「最高道徳」の「純粋正統の学問の原理」にあたります。
主宰神は住江大神です。
真理は神界から現界に降ろされます。
この真理の降ろされる筋を「縦の筋」と定義しますと、
この縦の筋を通して学問、知識、技術など
諸々の真理が降ろされることを説明したものが
「純粋正統の学問の原理」です。
当然、それを荷う人の上に、役割を分担して降ろされ、
年月をかけて発展し引き継がれていきます。
それを分類しますと国家的、血筋的、生活的、精神的となります。
それぞれの筋を通して種々のものを賜り
今日の文化文明が創られてきました。
現世に真理が伝わってきたこの筋を
人間は大切にしなければなりません。
また、この筋を通して人間の無色身は神界に行き来し、
夢に、インスピレーションにといろいろなものを現世にもたらします。
ですから人間の最大の特徴であるこの筋を大切いしなければなりません。
人間と神様との交流がないところ、人間は動物の域のままです。
「最高道徳」ではこれらの縦の筋を伝統と呼びます。
即ち、国の伝統、家の伝統、物質生活の伝統、精神伝統です。
例えば、孔子、釈迦、キリスト、ソクラテスの四大聖人は
精神伝統にあたります。
精神伝統の源流である神々は最も重要で、
神々のお考えが四大聖人の上にくだり、
その聖人を継承して人間は育ってきました。
神界から降りた純粋の学問でない学問を「異端の学問」といいます。
最高道徳では、この異端の学問に対して憂うる記述があり、
人間が幸福な人生を送るうえにおいて、
不幸な方向に誘導する考えであるのです。
神々の世界は秩序と調和がとれた世界であり、
そこに神々の麗しい黄金世界があります。
けれども悪しき神(イナルモノ)が存在し、
悪しき神々は真の神々の秩序と調和のとれた世界を
崩そうとしているのです。それが欲望の世界です。
それと同じ問題が、我々人間の住む現世の世界の中においても
行われています。
ですから真に知徳の備わった学者は欲望を肯定することはなく、
必ず秩序と調和と統一のとれた世界、黄金世界を目指します。
それを破ろうとする諸所の欲望を肯定する学者が
存在することは悲しいことですが認めなければなりません。
神々の命によって現世に現れた聖人を通して、
人類はくさぐさのことを導かれ、学んできました。
しかし、真理と欲望との混濁した知識に導かれ、
今日の文化文明が成り立ってきました。
この欲望という渦巻をいかに浄めていくかが十言神呪の核心です。
真理とはどのようなものでしょか。
マ字観法の最後に次のような言葉があります。
「知恵は愛を得て全きなり。愛は知恵を得て全きなり。知恵と愛と共に生くるが「まること」なり、「誠」なり」。
真理とは知徳一体でなければならないのです。
Isiguro
肉体の問題についてお話します。
肉体は欲望の蔵であり、肉体を捨てるだけで純粋な世界に入っていくことはできません。
それは人間としての業の問題があるためです。
人間の肉体を限りなく清浄にし、透明にしていく世界、
その世界がマ字神呪の裏にあるミ字神呪の「伝統の原理」です。
神々をはじめ四つの伝統にまつろうということは、
単に肉体人間がまつろうだけでは不十分です。
ハルミの状態においてまつろわねばなりません。
でなければ真の神々、真澄神に出会うことはできないのです。
Isiguro
人間の実体についてお話します。
ここにいう実体とは、我々人間が眺める実体という意味ではなく、
神々が眺める実体ということです。
つまり、一霊四魂、真澄哲学では、ヒト・フタ・ミヨ・イツです。
神々から見たところの人間の実体はヒト、フタ(一霊、直霊)、四魂、
ミヨ(先祖霊、守護霊)、イツ(守護神)です。
それらは肉体という存在の上においてそれぞれの役割を果たしているものです。
一霊四魂について簡単にお話します。
人間は一霊四魂を持つといいます。人間の最も奥の中に、
一霊、即ち直霊という貴いものが鎮まっています。
直霊を包んで四魂が存在します。真澄哲学では直霊をフタといい、
人間を守る三から四柱からなる守護霊が存在し、これをミヨといいます。
ミヨは四魂の上にあるとします。さらに守護神がそれらを統括します。
これをイツといいます。イツはいただいている人といない方がいます。
さらにそれを支えるヒトが存在します。
ヒトは肉体人間の生命そのものを支えるものです。
これが真澄哲学の霊根観です。
人間にはいくつもの心が重なっていて、これが人間の構造になります。
繰り返しますが、神々から見た人間の実体とは、
ヒト、フタ(一霊、直霊)、四魂、ミヨ(先祖霊)、イツ(守護神)です。
それらは肉体という存在の上においてそれぞれの役割を果たしています。
人間が死を迎えると、ミヨは離れ、霊体の一霊四魂になります。
四魂も次第に分離し、生存中の修行の情報は
智情意などを司るところの四魂の中に蓄えられます。
幽界・冥界に帰った霊体は、その本性が現われそれぞれに振り分けられます。
フタは神様と結びつきの強い御霊です。
このマ字神呪やその裏側にあるミ字神呪がそのことを教えています。
神とフタの結びつきこそが最重要な問題なのです。
「純粋正統の学問の原理」と「伝統の原理」は表裏の関係にあるのです。
Isiguro
次回は、第四の組立て 三(ミ)字神呪をお話いたします。
ありがとうございました。
管理人の補足
今回のお話は、十言神呪のp148-156を参照にしています。
こちらのサイトは、石黒豊信先生が発行している三統義会 真澄哲学に関する書籍を忘備録的に書き綴っています。
十言神呪は、著者は石黒豊信 発行所はミヤオビパブリッシング 発売元は(株)宮帯出版社です。宮帯出版のWebサイトをはじめ、物販の取り扱いをしているWebサイトで入手可能です。
多くの方がこの真澄哲学に興味を持って実践し、人生の幸せを見つけることを祈念しています。