35 十言神呪 第四の組立て 大(オ)字神呪
Isiguro
今回は、第四の組立て 大(オ)字神呪をお話します。
主宰神は大国主命です。
「最高道徳」では「義務先行の原理」です。
Isiguro
オ字神呪の神歌は、
「大いなる 我悟りなば この身われ 生り成り続くは 誰が為にこそ」です。
第四の組立てにおいて、オ字神呪は肉体を司っています。
肉体にはあらゆる神経が張り巡らされています。
門田先生の口癖は
「禊とはこの肉体を削って削って削りきらねばならない。
この眼球を外し、視神経を外し、
あらゆる神経を取り外していくのである。」と繰り返しました。
肉体や肉体を支えるものを全てをそぎ落とすのが禊の極意です。
私を支えるこの肉体はご先祖よりいただいて
今ここにあるのです。
この肉体の遺伝的なものは精神生活の実行によって、
次第に変化するものですが、
肉体を次の世代に伝え残していかねばなりません。
「道の道」の実行において、自我没却の重要なことは度々述べました。
しかし、この肉体は外界との強い繋がりがあります。
外界との関係は別にして肉体をいかに養うかは大事なことです。
人間は自らの意思においてこの肉体を、
肉の衣を限りなく薄く、透明にしていかねばなりません。
肉体の壁を突き破るにはなりません。その至るところがハルミです。
Isiguro
そのためには肉体を己の欲望のままにさせないことです。
身を清浄にする食べ物によって肉の衣を軽くすることに努めます。
また、祭典におけるお供え物などを積極的にいただくことです。
また日々に神様にお供えをしてあります御米、御塩、御水、御神酒などです。
特にお米は天上の食物(ためつもの)として、
その生命をいただくことになります。
その他季節の果物やお菓子、また頂戴したものなどは
神様にお供えをしてからいただきます。
一旦お供えをしたものは神様の御稜威がかかるからです。
なぜここに食事にこだわるのでしょうか?
それはミヨへの鎮めであり、同時にカ字神呪すなわち、
慈悲の心の発現を誘うためです。
そうすることによって、自身がこの現世において
積極的に善事を行います。縁の下の力持ちとして、
日々積極的に犠牲的な生活を送るのです。
外界を少しずつ己の肉体とすることを勤めます。
これが「大いなる我」への道行きです。
このことが自分の肉体を使って
ミヨに現世での功徳をさらに積ませることになります。
ミヨの修行になり、ミヨを向上させることになるのです。
Isiguro
オ字神呪に「生り成り続くは 誰が為にこそ」とあります。
この肉体が続いているのは誰のお陰であるのか、
誰のためであるのか、すなわち生命をいただいた
ご先祖や神々に対して感謝を申し上げ、
一方にはさらに続いていく子孫に渡していかねばなりません。
子孫の繁栄を願い、富と蘭の香りを増やしながら伝えていかねばならない。
すなわち、「中今」です。
そのためにはどのようにすると良いのか、
その自覚を示すものが「義務先行」です。
中今に立つ人間として
現世に感謝をしなければならないことが多いのです。
それは今ここに立つことのできる感謝です。
単に親に対する御恩があるからとか、
今日の文化文明を築いていただいた方に
御恩があるからと単純に考えるのではありません。
本当の御恩とは、その上にある伝統の源である神様に対するものです。
それは大国主命のお働きへの感謝です。
神様に感謝をしなければなりません。
もちろん心の中に多くのご恩を思いつつ生活を送ることは大切です。
しかし何より見方を変えて、
人々から感謝をされるような生活に入ることです。
神様の命のままに文化文明を切り開き、
今日の礎を作ってくださった方々と同様に、
現世の文化文明の更なる発展のために貢献していくのです。
これが感謝をし、御恩を返すことになり、
神様からの命に対して応えることになるのです。
この「御恩」を感じるものは人間の精神の真理です。
神様の慈悲。愛と人間が絞り出す誠とは異なるものです。
この誠が神様の慈悲・愛と一致すれば偉大な力を発揮しましょう。
すなわちこの誠の実行の生活が、
「大我」への一歩となるのです。
「義務先行の原理」の意義であるのです。
ここでは「誠」だけを取り出しましたが、
人間の精神の発露には誠・恕・あるいは仁があります。
この仁は人間の深奥の中のものと少し異なるものです。
これらの言葉は人間の精神にとって真に重要な言葉です。
Isiguro
最後に、このオ字神呪は守護神(イツ)を賜わるための行であると
言われています。
その守護神は人間精神の誠の心の上に賜るのです。
人間が己のこの肉体を養っていただいたあらゆる方々、
もちろん精神を養っていただいた方々をも含めて、
それらの全ての方々に感謝し、
感謝し尽くす時、ここに人間精神の誠が芽生え、
習い性となって生きづき、
その心は大国主命に通じるのです。
そのとき、明き心の上に守護神を賜ることができるものです。
守護神は人間を力強く導いてくださるのです。
Isiguro
今回で、第一の組立てから第四の組立てまでお話いたしました。
何度か読み返していただき、理解を深めていただければ幸いです。
次回からは、十言神呪の観法についてお話いたします。
よろしくお願いします。
管理人wataame
次回からは、十言神呪の神呪の祈りである観法ですね。これまでの神歌、十言神呪の神呪の意味を復習しておきます。
次回もよろしくお願いします。
管理人の補足
今回のお話は、十言神呪のp209-214を参照にしています。
こちらのサイトは、石黒豊信先生が発行している三統義会 真澄哲学に関する書籍を忘備録的に書き綴っています。
十言神呪は、著者は石黒豊信 発行所はミヤオビパブリッシング 発売元は(株)宮帯出版社です。宮帯出版のWebサイトをはじめ、物販の取り扱いをしているWebサイトで入手可能です。
多くの方がこの真澄哲学に興味を持って実践し、人生の幸せを見つけることを祈念しています。