34 十言神呪 第四の組立て 動(ラ)字神呪
Isiguro
今回は、第四の組立て 動(ラ)字神呪についてお話します。
主宰神は大国主命です。
「最高道徳」では「人間の自己保存の本能の原理」が主ですが「人間の自然的及び人為的階級の原理」も含まれます。
Isiguro
人間の肉体は既に述べたように、
肉体の袋のすぐ下にミヨが隠れており、
このミヨの心のままに操られます。
ミヨからくる五感にとらわれた欲望を持ちます。
同時に肉体は肉体自身を保つための欲望を持っています。
この欲望の支えとなる肉体を持つことが、
人間と神々と異なるところです。
肉体は人間がこの人間霊界において
修行するために与えられたものです。
人間の心は複雑ですが、
心の持ち方で行動を変えることもできます。
五感にとらわれた生活をあらためるならば、
欲望は次第に消え去っていくものです。
ミヨの成長を促し、四魂、フタを輝かします。
しかし五感にとらわれて、欲望の虜の生活を送っていると、
雪だるまのように業因縁が増え続けます。
この肉体は良いところにも悪いことにも使うことができ、
諸々の原因になります。
肉体を最終的に案ずるものは神々と繋がりを持つ信仰です。
信仰によって人間はミスマルの珠を次第に輝かせることができます。
人間は心の持ち方と信仰によって
本当の姿を現してくるものです。
この信仰は「伝統の原理」の大元である神々に通ずるものです。
単に伝統や恩人の恩に報いたり尊敬したりするだけでは不十分です。
感謝という「祈り」を捧げて神々と繋がるときに、
ミヨは清々しくなっていきます。
さらにこの肉体を滅却しなければならない問題が再び生じます。
即ち、「ムユ」です。
この肉体を鎮魂することによって、
霊体を次第に透明にして輝かせねばならないときがあります。
この鎮魂こそが肉体を鎮める最重要なものとなります。
単に禊をしたり、水をかぶったり、滝に打たれたりするだけでは
完全な信仰には至らないものです。
このような修行は人間の欲望を鎮めますが、
霊的な変化にまで及ぶものではありません。
鎮魂には階梯があり、神々の御力と導きが存在し、
人間の精進に応じて少しづつ導かれて、階梯を登るのです。
Isiguro
人間が多勢に集まった時、どのような問題がしょうずるのでしょうか。
人間と人間とか相対する時、
そこには必然的に霊的な交流が行われると考えねばなりません。
すなわち2人のミヨはお互いに惹かれたり、
反発したりするものです。
そこにお互いに相手の影響を受ける相互作用が生まれるのです。
人間は悪しきものに遭うことによって悪しき影響を受け、
良きもの出会えば良きものの影響を受けます。
それがごく普通にありふれた人間としての生活でしょう。
新たな業因縁を作り、また新しい道を切り開きます。
このことは人間と人間の関係だけでなく、
人間と土地(環境)との間においても交渉があるものです。
ところがここに重大な問題が生じます。
人間が相手の悪しきものを引き取らねばならぬという問題です。
相手の業因縁をこちらがどうしても受け取ってやらねばならない。
これは前世からのお互いのミヨとの関係においてあるものです。
しかも引き受けた業因縁を自分の力において浄化せねばならない。
さらには業因縁を落とす方法は何かというと、
自らの肉体の上に病を起こし、
あるいは様々な人間関係を悪くし、
さらに極端な場合には死に至るようなことも生じるのです。
現世における草ぐさの人間の悩みが映し出されます。
繰り返しますと、
人間と人間との関係によって現世において果たせばならぬ業因縁、
また神から与えられた天命を尽くさねばなりません。
単に業因縁を果たすだけのものではなくて、
この現世に生まれて何かをせねばならんという
御依差しも天命の中にしっかりと刻み込まれているものです。
即ち、現世への誕生に際して神々より賜った詔が存在します。
そのようなものが存在に複雑に絡み合って、
この人間生活というものが出来上がっているのです。
Isiguro
かくして人と人との間に干渉が生じます。
良きも悪しきも人との出会い配偶者との出会いも、
概ねにこのようにして出来上がっていきます。
しかしながらこの新しい家庭を持つための男女の出会いは、
それだけではない。
隠され前世のことが多くあるようです。
肉体を少し滅却し、神々の世界に近づいて眺めるならば、
五感六感以上で世界を眺めることができます。
ここに草ぐさの結びつきの因縁を
おのずと悟ることができるようになるのです。
また国の伝統、家の伝統、生活の伝統性、精神の伝統その他に感謝するときに、
人間としての根が張り、富を得ることができるようになってきます。
さらに神々通ずる祈りを捧げるとき、
人間としての香りが生まれます。
人間の富と人間の香りはおのずと違いがあります。
Isiguro
次回は、第四の組立て 大(オ)字神呪についてお話します。
よろしくお願いします。
管理人の補足
今回のお話は、十言神呪のp168-174を参照にしています。
こちらのサイトは、石黒豊信先生が発行している三統義会 真澄哲学に関する書籍を忘備録的に書き綴っています。
十言神呪は、著者は石黒豊信 発行所はミヤオビパブリッシング 発売元は(株)宮帯出版社です。宮帯出版のWebサイトをはじめ、物販の取り扱いをしているWebサイトで入手可能です。
多くの方がこの真澄哲学に興味を持って実践し、人生の幸せを見つけることを祈念しています。