8 十言神呪 第一の組立てと神歌
Isiguro
こんにちは。今回は、十言神呪の神歌についてお話します。
門田博治先生は、十言神呪の組立てを三つ賜っています。
組立ての詳細なお話は次回いたします。
十の言霊からなるアマテラスオホミカミィの神歌は順に連なり、最後のミィは最初のアに帰り循環します。神歌は三十一文字からなっています。
では神歌による第一から第三の組立ての概要をお話します。
管理人wataame
神歌と組立てとは、どのような関係にあるのか、早く知りたいです。
今回もよろしくお願いします。
Isiguro
第一の組立ては、神歌の意を人間に当てはめて解釈したものです。
ここでは人間にあてはめて解釈します。
前半のアからスは人間の外界(現象界)のこと、後半はオからミィは内界(肉体)のことです。
そこには命、五感、心、御心と統(ス)があります。
Isiguro
第二の組立ては、神歌の意を観法を含めた解釈をしたものです。観法とは十言神呪の神歌の一つ一つに正しい解釈へと導くための作法、行法というもので、それを観法と申します。
神歌の前半は自己を含めた外界に対する哲学(表)。
神歌の後半は自己の霊的な内界に対する哲学(裏)。
この考え方が第四の組み立ての(道の道)、すなわち道徳論へと引き継がれます。
Isiguro
第三の組立てが、十言神呪の本質をなすものです。
十言神呪の神呪は神韻を解いたものです。
十言神呪とは「ア・マ・テ・ラ・ス・オ・ホ・ミ・カ・ミィ」から始まる十個の神歌のことです。
神歌は神呪(かじり)ともいいます。
さらに神歌にはそれぞれに観法がついています。
つまり、十種類の観法があります。十言神呪とは十個の神歌とその神歌を組立てた哲学ということです。
管理人wataame
以前から、ちょくちょく出ていた「組立て」、については次回説明があるのですね。今回お話してほしかったですが、神歌のほうが興味があります。どんな歌か知りたいです。
Isiguro
では十言神呪「ア・マ・テ・ラ・ス・オ・ホ・ミ・カ・ミィ」の神歌を紹介します。
十言神呪の神歌
あ 天照らす 御親の神の 大調和の 生命射手らし 宇宙静かなり
ま まることは 大きさざめの 極みなり まこと開きて 極みなきなり
て 照る月の 映りてまどか 池にあり など波風に 砕けけるかも
ら 蘭の香の 貴かりける おのがじし 花も葉も根も いそしみてあれば
す 統ゆみほゆ 光かかふる すめろぎの 御代開けてぞ 永遠に安けき
お 大いなる 我悟りなば この身われ 生り成り続くは 誰が為にこそ
ほ ほのぼのと 朝霧の立つ 深山路に 母恋ふ雉子の 啼く声愛しも
み みそそぎの 聖き心を保ちてぞ まことの神は 顕はるるなれ
か 輝きは 照り徹らせり 天津日の 奇しくもあるか 優しくもあるか
みぃ 見はるかす 朝日あまねき 碧御空 星影のはや 見えずなりけり
管理人wataame
なるほど、五七五七七調のきれいな歌と思います。
読むだけで、なんだか心が落ち着きます。
Isiguro
では、第一の組立てにおける神歌の解説をお話します。
十の神歌はつながっているので、解釈文をつなげて読んで、自分なりにその意味を感じてみてください。
顕(ア)字神呪の神歌
天照(あまて)らす 御親(みおや)の神(かみ)の 大調和(みすまる)の 生命射手(いのちいて)らし 宇宙静(くにしず)かなり
(解説)
天照大御神はミスマルの珠を輝かせ万物に命を与え続けています。
その御稜威を賜ることによって宇宙は秩序と調和と統一のとれた平安な世界が実現するのです。
人間は万物の一つとして命を頂いていますが、天照大御神の御稜威を射矢に受け、その御心を実現することに努めなければなりません
Isiguro
誠(マ)字神呪の神歌
まることは 大きさざめの 極(きわ)みなり まこと開(ひら)きて 極(きわ)みなきなり
(解説)
大御神より賜った尊い御心の中に誠があります。
人間はこの誠を尽くして生きていくことによって、万物と共に秩序と調和と統一のとれた平安な社会を実現することができるのです。
しかし、誠は尽くしても尽くしても、尽くしきることはできないものなのです。
Isiguro
用(テ)字神呪の神歌
照(て)る月(つき)の 映(うつ)りてまどか 池(いけ)にあり など波風(なみかぜ)に 砕(くだ)けけるかも
(解説)
誠を尽くしきることができないのは、目に映る波風に浮き沈みをする現象の世界を見ているからです。
人間は五感に支えられた肉体を持っているが、五感のとらえる世界は真実を写しているものではないのです。
人間は五感のとらえる世界でなく、真実の世界を眺めて生きていかねばならないのです。
Isiguro
動(ラ)字神呪の神歌
蘭(らん)の香(か)の 貴(とうと)かりける おのがじし 花(はな)も葉(は)も根(ね)も いそしみてあれば
(解説)
真実の世界をみることができるならば、陰に隠れて己を支えている存在をはっきりと観ることができるようになります。
その隠れた部分にも思いをいたすことによって、人間は秩序と調和を統一のとれた存在となっていきます。
ここにもすべてが共同的に働き、人間にとって最も貴い薫り(富、品性)を醸し出すようになるのです。
Isiguro
統(ス)字神呪の神歌
統(す)ゆみほゆ 光(ひかり)かかふる すめろぎの 御代開(みよひらけ)けてぞ 永遠(とわ)に安(やす)けき
(解説)
蘭の薫りで満ちた貴いものを永遠のものとするためには、さらに高貴なスメロギの命の光の統を御心の中に賜らなければなりません。こうして初めて、宇宙の万物は秩序と調和と統一のとれた永遠の世界に生きることができるのです。人間は正しい位置を得ることができるのです。
Isiguro
大(オ)字神呪の神歌
大(おお)いなる 我悟(われさと)りなば この身(み)われ 生(な)り成(な)り続(つづ)くは 誰(た)が為(ため)にこそ
(解説)
このように悟る(自覚)することによって真の人間、即ち、大きい我が造られます。
ところで、大我を支える肉体がありますが、この肉体がなりなり(完成から完成へと)続くのは、一体誰のためでしょう。
自分のためでしょうか。
神様のためでしょうか。
それとも万物のためでしょうか。
Isiguro
小(ホ)字神呪の神歌
ほのぼのと 朝霧(あさぎり)の立(た)つ 深山路(みやまじ)に 母恋(ははこ)ふ雉子(きぎす)の 啼(な)く声愛(ねかな)しも
(解説)
雉は深い愛情を持つ鳥といわれています。
その雉の子が、どこで迷ったのか、朝霧(肉体)の中に母鳥(神様)を探し求めて啼いています。
人間の心は、神様の御心を知ってか知らずか、肉体という霧に遮られ彷徨っています。
愛情の深い母鳥の神様はそれをご覧になられて愛おしく感じておられます。
Isiguro
三(ミ)字神呪の神歌
みそそぎの 聖(きよ)き心(こころ)を保(たも)ちてぞ まことの神(かみ)は 顕(あら)はるるなれ
(解説)
霧を祓うためには、禊を実行しなければなりません。
そうすれば、肉体は清浄となり、心は清らかになり、
自立心を持つことができます。
この清らかな心を持ち続けるならば、誠心が発現し、
神様(母鳥)と目合うことができるのです。
Isiguro
幽(カ)字神呪の神歌
輝(かがや)きは 照(て)り徹(とお)らせり 天津日(あまつひ)の 奇(くす)しくもあるか 優(やさ)しくもあるか
(解説)
深い霧も晴れ渡り、神様と目合うことが叶いました。
その誠心には太陽の光が燦さんと降りそそがれています。
太陽の光は何とも神々しく優しくもあるのでしょうか。
その光は肉体の内を隈なく照らし温かく安全に見を包み込んでくれます。
Isiguro
休(ミィ)字神呪の神歌
見(み)はるかす 朝日(あさひ)あまねき 碧御空(あおみそら) 星影(ほしかげ)のはや 見(み)えずなりけり
(解説)
朝日が出ると深い闇の中にとじこめられていたことが嘘のように、
空は明るくなり、今まで輝いていた星々はもう見えなくなります。
このように肉体が消えると、そこには御心のうちに賜った高貴なスメロギの統の命の光が輝いてきます。
こうして内と外の太陽の恵みの中に人間は秩序と調和と統一のとれた生活を営むことができるのです。
Isiguro
以上が神歌と第一の組立てによる解釈です。
神歌を何度も読んでみますと自然と心がおちつき、穏やかな気持ちになっていきます。
また、解釈をご自身なりにすることをお勧めします。
次回は、第二の組立てのお話をいたします。
ありがとうございました。
管理人wataame
Isiguro先生ありがとうございました。
神歌を何度も読んでみます。
解釈も頑張ってやってみます。
ありがとうございました。
管理人の補足
今回のお話は、十言神呪のp18-21、p31を参照にしています。
こちらのサイトは、石黒豊信先生が発行している三統義会 真澄哲学に関する書籍を忘備録的に書き綴っています。
十言神呪は、著者は石黒豊信 発行所はミヤオビパブリッシング 発売元は(株)宮帯出版社です。宮帯出版のWebサイトをはじめ、物販の取り扱いをしているWebサイトで入手可能です。
多くの方がこの真澄哲学に興味を持って実践し、人生の幸せを見つけることを祈念しています。